三学期に入るとすぐに期末試験が待っている。
俺はそこそこの成績を残して、無事卒業が決まった。

満点を取る方法は解った。
でもそれを使ってはいけないと思ったんだ。

でも多少は問題製作者の脳にインしたらしいが。




眞樹は相変わらずトップだった。

でもその頃眞樹は有事対策頭脳集団からは浮いた存在になっているようだ。


俺の存在していることは、勿論まだ教団のシークレット事項だった。
眞樹と行動を共にしていた松本君以外には伏せられていたのだ。


でも俺を意識し過ぎた眞樹は、より上を目指すことを自分自身に科してしいた。


その結果、眞樹の脳はあまりにも沢山の知識を詰め込み過ぎて爆発寸前になってしまったのだった。


その原因を作ったのは一馬だった。


一馬が話す俺の存在その物が驚異で、がむしゃらに突き進んだ結果だった。

一馬は俺を産まれついての天才だと褒め称えていたようだった。


勿論俺から出向いたのは試験を受けたあの日だけで、自ら近付いた訳ではない。
そのことは眞樹も理解しているはずなのに……


ただ一馬は俺のことを知りたかっただけなのだ。


眞樹に双子の兄弟がいたことは明るみには出てはいない。

それでも眞樹は、俺に全てを盗られると思ったようだった。


一馬が松本君から俺のことを聞き出したと知ったから、俺を後継ぎにしたいのだと勘ぐったらしいのだ。

そして自ら居場所を無くしていったのだった。


何とかしなければいけないと焦ったのだ。
そして又……
俺封じの作戦を敢行することになったんだった。




 そして眞樹の頭脳は第二のアンビエンス・エフェクトを生み出す。
でも暴走する頭脳を止めることが出来なかったようだ。


赤坂奈津美は一計を案じた。
だから何時も傍にいて眞樹をサポートしてくれていた。


眞樹は本当に愛されていたんだ、恋愛シミュレーションゲームの相手の赤坂奈津美に。

有事対策頭脳集団のトップになるから愛されていた訳ではない。


ゲームの中ではプライドが高いとされた赤坂奈津美。
本当は優しくて気立ての良い、宇都宮まこと、いや若林まことと同じ位慈愛に溢れた娘だったのだ。


それ故に苦悩した。

元のように優しい眞樹に戻ってほしくて、赤坂奈津美は奔走したのだった。