俺達はあの白い部屋で、ウエディングドレスとタキシードを着て両親の前に跪いていた。
佐伯真実と若林結子。

宇都宮まことの両親は、形式上では育ての親である二人だ。


そして俺の両親は氷室博士教授と小松成実。


見届け人は、教団トップの望月一馬。


そうこの日初めて真実が公開される


俺を見た時に、望月一馬の目が輝いたのが気になる。
でもそれは、あまりに眞樹に似ているせいだと思っていた。


眞樹がその時危惧を抱いていたとは全く気が付かなかったのだ。
そもそも俺は、オカルト教団もそのトップも全く興味がなかったのだ。




 若い幹部候補生達が突っ走ったことで、又オカルト教団として注目されている有事対策頭脳集団。

そのトップ。
主席と呼ばれている望月一馬。
俺はその一馬から洗礼を受けた。

御神水と呼ばれる秘密めいた液体が俺の頭に降って来た。


それは全く予想もしていないことだった。
だから慌てて望月一馬を見たんだ。


一馬は微笑んでいた。
神様のように……


俺はどうやらその時に、有事対策頭脳集団の一員にされたらしかった。
俺の全く知らないところで、画策されていたようだった。


つまり、一馬は俺の存在に気付いていたんだ。
でもそれは確信された訳でもなさそうだった。


洗礼式。

眞樹はその事実を重く受け止めた。
この時眞樹は、再び俺を抹殺しようと思ったらしかった。


でも躊躇したと俺は信じたい。

その行為によって、又教団の立場が悪くなることは解りきっていたはずだから。