俺は、がくんと膝をついた。
荒く息継ぎをし、必死で酸素を吸った。もう動けない。筋肉が痺れて固まっている。右の拳が内出血を起こして腫れている。全身のあちこちの骨に、ヒビが入っているのが分かる。汗がとめどなく溢れ、まるで、水の中からあがったかのように、空手着がぐっしょりと濡れている。


しばらく、俺は、膝をついたままの姿勢で呼吸を続けるのに必死だった。
だから、倒れた田山への審判のカウントが無いことに気がつかなかった。











誰かが、俺の前に立った。













うつむいている俺の視界に、黒焦げの両足が見えた。














……嘘だろう?













俺は、顔をあげた。































田山が、立っていた。
全身を火傷した姿で、仁王立ちになり、こちらを見下ろしていた。