道場を出る直前、由美は背中を向けたまま聞いてきた。 「お兄ちゃん。明日の試合、もし私が勝てば、もう南斗さんとは修行しないって約束になってるんだよね?」 「……ああ、そうだ」 「わたし、勝つからね」 「言っておくけど、南斗さんは強いぞ」 「勝つから」 強く断言して、由美は道場から出ていった。