変わらないもの 【完】



息を弾ませて駆け寄ってきた柚妃は、目に涙をいっぱいにためて、言った。

「ごめんね……拓斗、来てくれてたのに、あたし…ごめん……」

俺は黙って、首を横に振る。

「ずっと、待っててくれたんだ…?」

昔と同じ、澄んだ瞳で俺を見つめる柚妃に、俺は微笑んだ。





「ああ。 …俺は、柚妃のこと、好きだから」





俺の言葉を聞いた柚妃は、あの日のユズキのように、無邪気に笑った。






「あたしも! あたしも、拓斗のことが好きっ」