それからというもの、タクトという少年は、 「ユズキ! 学校行くぞっ」 毎朝、うちに来るようになって。 同じ通学路、同じクラス、隣の席。 あたしたちは、いつも一緒にいた。 この街に慣れていなかったあたしに、タクトはとても親切にしてくれた。 不思議なほど、あたしの行く先には必ず、タクトがいた。