その帰り道。 「ゆーずーきーっ。 おつかれっ」 バスケ部の2年生の中でもリーダー的存在の、有村美沙が、声をかけてきた。 「あ、美沙。 おつかれ」 美沙はほほえみ、少し深刻そうな顔で、 「あのね、ゴールデンウィークにある練習試合のことなんだけどさ、……」 そう言うと、ぱっといたずらっ子のような笑みを浮かべて、言った。