「うがー、深海に負けたああっ」

「ふっ、残念だったな!」

「どんぐりの背比べだな…」
「「うわっ、秋月」」
「ハモんなよ」

こいつはあたしの前に呼ばれてた奴。
フルネームは、秋月 梓[アキヅキ アズサ]。
女の子みたいな名前だ。
ちなみに今回の社会、89点。またなんとも微妙な…

…高得点だなっ!

「お前ら平均点知ってんの??」
「知らんがな」
「何点なのよ」
「俺も知らん」
「なんなんだよ!」

どこかボケてるんだよなー、こいつ…

「ほいきけよー、今回の平均点はー」

みんなが一斉につばを呑む。

「77点だー」

一瞬の沈黙。

そして、
「なんだー、よかった」
「ギリ超え!お前は?」
「いや余裕で…63点だ…」
「いやアウトだろ!」

こんな会話が聞こえてくる。
なんていうか、もう、泣きたかった。

「あっちゃー…この平均点なら
90点台取らなきゃだったなぁ…」

と、悔しがる
隣のムシンケイ。
秋月、梓。




なんていうか、もう、泣いちゃった。