アフターレイン

 この前はサイドで軽く纏めてたけど、今日は高めの位置でポニーテールにしていた。

 横髪を少しだけ垂らして、長めの前髪をピンで留めている。



 なるほど、ちょっと真面目っぽく見える。



「じゃあこれからよろしく。……えーと、」



 木戸瞳、かあ。

 ……〝木戸さん〟?

 それとも〝瞳ちゃん〟?



 皐月と同学年ってことは、一応年下。

 だけど職場では先輩な訳で、どう呼んだらいいのか考えあぐねていると。



「……あ、呼び方ですか? 瞳でいいですよ。あたし、年下ですし」



 地味に悩んでいた俺の思考に勘付いてくれたのか、自分から呼び名を提案してくれた。

 言い出しにくかったから、助かった。



「わかった。瞳ね」



 軽く頷きながら答える。

 すると、木戸さん──じゃなくて瞳は、くるりと踵を返した。



「じゃあ早速いろいろ教えますんで、こっち来て下さい」