優恋*プレリュード改

山田先輩がひとつひとつ丁寧に説明してくれる。


隣にいるのは金山紅葉(かなやまもみじ)ちゃん。

仲良くなれるといいな…


「…みたいな感じかな。じゃあ、楽器の練習しよっか」


『はい!』


待ちに待った楽器。


やっと楽器が吹けるんだ…!


紅葉ちゃんも、目を輝かせていた。

同じような気持ちだったんだろう。


「二人とも仮入部でやったから分かるよね。まあ、復習ってコトで」


『はい』


「一年生はしばらく基礎だから。基礎の内容は…」

言い終わる前に、教室のドアが開いた。


「先輩、持ってきました、譜面台」

少し色黒で、目が下がっている。
笑うとえくぼができて、優しそうな先輩だった。


「ありがとう、愛花ちゃん」


そう言ったその時、またドアを開ける音。



「あれ?もうみんなそろってたんだ」


お人形みたいな人だった。

色白、顔立ちも整っていて、前髪はパッツン。

とにかく美人…


「全員揃ったか。じゃ、自己紹介しよ」


山田先輩が言った。


「うちはパートリーダーやってる山田歌那。よろしくね」


美優の友達だし、私もよく遊んでいた先輩だ。


「私は、菅原笑華(すがわらえみか)。一応学年指揮やってます」


菅原先輩も、美優経由の知り合い。
結構仲が良かったんじゃないかな?
よく遊びに来てたし。


「うちは、2年の佐々木愛花(ささきあいか)。よろしくね」


一回、美優がうちに連れてきた美優の後輩だ。


「じゃあ、一年生もよろしく」

山田先輩が言った。

「金山紅葉です。緑葉小出身です。よろしくお願いします」

紅葉ちゃんは、はきはきとしていて、とても感じが良かった。

私の番だ。
「大山小出身の、田中優亜です。よろしくお願いします」


「あれ、もうこんな時間?」


時計の針は、もう14時を指していた。



「全員音楽室集合の時間だね。行こう」


音楽室に入ると、ほとんどの人が集まっていた。


「どこが来てない?サックスとホルンか」

部長が言っているのが聞こえた。


「遅れてすみません」

ぞろぞろと人が入ってくる。


その中に、仲村くんはいた。


身長が大きいからだろう、すぐに分かった。


サックスかな?と思う。


仮入部ではじめて仲村くんと会ったのも、サックスでだったし。


そんなことを考えているうちに、ミーティングが始まった。



先生が入ってくる。


「1年生、パートが決まりました。じゃあ、紹介しようか」