優恋*プレリュード改

ま、いっか。


「うん。日和は何やんの?」


日和も吹奏楽部に入部する予定。


「もちろん、パーカス!!」


パーカスとは、打楽器の事。ドラムから木琴からタンバリンまで、全部パーカス。


日和は小学校の鼓笛隊で小太鼓をやっていたから、パーカスがいいんだって。

で、早速パーカスに仮入部に行くってww


うちは、どうしよっかな…



やりたい楽器は特にないんだけど、トロンボーンがいいかな…


かっこいいじゃん?

先輩も知り合い多いしね!


「優亜と日和ちゃん?」


声をかけてきたのは、田中美優(たなかみゆ)こと私の姉。


「何?」

「仮入部?だったらこっち」


勧誘係だったらしい美優は、私たちを音楽室に連れていってくれた。


余計なお世話だ。((笑


「ねぇ、サックスに来ない?」

ある先輩が声をかけてきた。


美優がサックスなので、狙ってるんだろう。


「サックスだって。行ってみようよ」

日和が言った。

「そっか、日和もサックス持ってるんだっけ…」



「うん、お父さんの」


「パーカスはどうしたの?」

「また明日行こうかなって。もう行くとこ決まってるし、いろんな楽器回っときたい」


…変わり身の早いやつめ。



私は嫌だったけど(美優のパートだから)、美優が勧誘係→いないので行く事になった(ほぼ強引に)。


村上(むらかみ)先輩という先輩がサックスのところまで案内してくれた。


そこには、先客が1人。


男の子だ。


身長は高く痩せていて、すらっとした顔立ち。

吹奏楽部、というよりは運動系の部活に入るような子。


まぁ、仮入部だけ来るっていうのもあるからね。


村上先輩が私たちの楽器を用意してくれている間、暇だった。



すると、隣から声が聞こえてきた。

「え、じゃあ仲村くんって、吹奏楽部に入ってくれるんだ!」


「はい」


超ハイテンションな先輩が大きな声を出していた。

仲村くん、と呼ばれた彼は、少し困ったような顔をしていた。


「二人は部活もう決めてる?」


そのハイテンションな先輩が私たちに話をふってきた。


「はい。吹奏楽部に入ります。二人とも」


「ちょ〜嬉しい〜」


声が大きくて、恥ずかしい…


あの子の気持ちがよくわかるよ…



そう思ってチラッと彼を見ると、彼と目が合った。


彼は、こっちを見て、少し笑った。

「お互い頑張ろうね(笑」
って、先輩の見てない隙に口パクで。


私も笑い返す。

仲村くん…か。


男嫌いの私でも話せそうだな、なぁんて事をふと思った。

別に地味系ではないけど。



日和はその間ずっと先輩の相手をしていたようで、笑顔笑顔という感じ。

村上先輩が楽器の準備を終わらせ、教え始めるまで、日和は笑顔しか見せなかった。




結局、サックスを吹いてはみたものの、私にはリード(木管楽器を吹くときに必要らしい)楽器が合わないようで、疲れた。


日和はまぁ普通というレベルで吹いていた。


仲村くんはと横をチラ見。


上手かった。


悲しくなってきたので、見るのはやめた。




帰り際、美優が言った。

「優亜、サックスには入るなよ」



20**年 4月23日

仮入部では、あの日以外はずっとトロンボーンに行った。

第一希望は、絶対トロンボーンだから。


オーディションとかあっても、負けないし。



で、なんでこんなに燃えてるかと言いますと…


今日、楽器決めがあるから!!



ドキドキだあ…



「当たり前!!美優と一緒はおことわり」

そう言ったら、家に帰った後シメられた。


「じゃあ、トロンボーンがいい人!」

先生が言う。

私が手を挙げ、周りを見ると、手を挙げているのは1人しかいなかった。


2つに髪を結んでいる、とても可愛い女の子だ。


目が合う。


女の子は、こっちに向けて愛らしい顔で笑いかけてきた。


「じゃあ、トロンボーンは決まりで。田中さんと、金山さんね」


「よろしくね」

トロンボーンの先輩、もとから知り合いの山田歌那(やまだかな)先輩が言った。


「ここがトロンボーンのパート棚。楽器とか、メトロノームとかを置いておく所。でトロンボーンの練習場所は…」