『失礼しました』
「…やっぱ紅葉だったね、うちの言った通りっしょ?」
「優亜…」
私は、嬉しい。
D部に、鈴木先生の指揮に、なれた。
でも…何かがつっかかる。
紅葉に負けたから…?
紅葉には負けたくないと思っていたのだろうか。
D部になりたくて、でも紅葉には勝ちたい…
それじゃ矛盾してるじゃん!!
「あーどうしてこんなバカなんだろ」
ふぅっとため息をついたとき、後ろで声がした。
「お疲れ様」
仲村くんだ。
「ありがと」
「残念だったね」
「うちD部になりたかったから良いの」
胸につっかかっていた何かは無視した。
仲村くんはうーんと少し考えた後、真剣な表情になった。
「嘘、嫌い」
「えっ…」
嘘?嘘をついただろうか。
私は、D部になりたかった。
だから、どうってことない。
その気持ちは嘘?
「嘘じゃないよ」
仲村くんの目を見据えて言った。
「ううん、嘘。D部になりたかったのは本当かもしれないけど」
「他に何があるの!!」
つい、声を荒らげてしまう。
「っと、ごめん。えっと…正直に言っていい?」
正直に?
どういう意味?
