「香澄。」
「なに、秀・・・」
秀は香澄の隣に座った。
「なんかあったんだよね」
「・・・それが何」
「僕には、晴香や光がかすみのことを避けているように見えるんだけど。」
香澄は、前から晴香は秀のことが好きなのではないかと思っていた。
最近冷たい晴香のことを秀に言えば、ちょっとは仕返しになると思った。
「そうだよ。あの2人、影でコソコソ言ってる。」
「そっか…やっぱりなぁ。あの2人、ちょっと面倒くさいんだ。」
面倒くさいってのは、
どういう意味なのか。
香澄はちょっと考えたが、
面倒くさいのでやめた。

しばらく、2人の会話はとぎれ、沈黙状態だった。
そのとき、ワークルームのドアが開く音がした。