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香澄は2人が公園に入っていくのを見計らって、すばやく木の後ろに隠れた。
2人は、その辺の花を見ながらゆっくり歩いている。
香澄がその2人をじっと見ていると・・。
香澄がかくれている木より前の木の後ろに、見慣れた人が・・・。
「真志!!?」
香澄は小声で言った。
「!」
真志は香澄に気付いて、
照れくさそうにそっぽを向いた。

晴香と秀は見失ってしまった。
香澄と真志は2人きりに。

前にもあったな、こんなとき。

「真志も、あの2人が
 気になったんだ。」
「別に、ただ通りかかったら
 あいつらがいたから・・
 邪魔だと思って隠れてただけだ!」
真志はいつもより早口だったので、すぐに嘘だと分かった。
香澄は、小さく笑った。
「秀と仲いいの?」
「・・・・・・親友。」
真志の意外な言葉に、
香澄は驚いて真志をみた。
「なんだよ。」
「ごめん。なんでもない!」
「・・・あいつら、うまくやってるかな」
「きっとやってるよ!
 晴香は、いい子だから、安心して!」
「・・・。あいつ(晴香)に見過ごされた奴が言えることかよ。」
「やっぱり、喧嘩すると
 仲良くなるっていうじゃん。」
「俺はそう思わないけど・・」
「真志は秀と喧嘩したことないんじゃない?」
「悪いかよ。」
「あはは。ホント仲いいんだね!」
「うっせ。」
いつの間にか、
香澄は真志と普通に話せるようになっていた。

―真志といると、楽しくて・・。
 魔法みたいな、
 かけがえのないとき。―