private lover ~大好きな人の前で他の人に愛を誓う時~

 「目ぇ熱っぽいぞ」

 「……ちょっと頭痛いかも」


 曖昧な微笑みを浮かべて美希はやっとそこで、俺を見た。


 「部屋いっぱいあるから寝てくか?」

 「いっいいよ! 帰らなくちゃ」


 あ、今何時だ?

 壁にかけた時計を見たら昼の十時を三十分も過ぎていた。


 「家に誰かいる?」

 「おじいちゃんと、おばあちゃんがいると思う」

 「学校サボったことバレるぞ」

 「あ、そうか……」

 「フロントに連絡して来るから待ってろ。それと……そこのベッド使っていいから」


 俺が使ってるのはペントハウスの主寝室で、キングサイズのベッドが二つある。


 「ありがとう」

 「あっあぁ……」


 珍しく素直な美希の態度に若干調子を狂わされた。


 「何でフロント行くの?」

 「空いてる部屋抑えるため」

 「いっいいよ! ここで」

 「俺の部屋だぞ」

 「……そう、だよね」


 美希はまた曖昧に笑う。

 何なんだよ、その困ったような照れ隠しみてぇな反応は。


 「お前さぁ……起き抜けから意味分かんねぇよ」


 態度の由縁は空白の数時間か?


 「俺昨日、何した?」

 「えっ、別に……何も」

 「嘘はバレないようにつけ」


 煮え切らない美希の態度が今日はやけにイライラさせる。

 今日はっていうより、美希が変なんだ、美希が。

 熱のせいか?


 「何言ってもいいの?」

 「いいけど……」


 そんな確認しなきゃ言えねぇほどヤバイことしたのか?

 マジで記憶がない俺は、ゴクリとツバを飲み込んだ。


 「ベロベロに酔っぱらって…………」


 おっおい……何でそこで口ごもる。

 美希の顔が……いつになく赤いぞ。

 覚えてねぇとか言ったけど、大丈夫か?

 美希はそういうの、慣れてないんじゃ…………


 「抱きついた」


 ヤ~ベェ、美希は誰かを一途に何年も想うような女だ。

 記憶あるように見せかけた方がいいかも。


 「言われてみれば、そんな気がしてきた」

 「おっ覚えてるのっ!?」