きみだけが好き。




「今、思いっきり人にぶつかりそうだった。 またボーっとしてた?」


 そうだったんだ!?


 恥ずかしいし、“また”ボーっとしてた、とか。


「…うん…」


「ははっ さすが森田。 やっぱ何かと危なっかしいよなー…」


「ご、ごめんっ」


「いや? いいけど」


 ドキドキ…


 こ、腰にまだ八代くんの手が…!


 また顔が熱くなっていくのを感じる。


 やっぱり、八代くんは優しいんだ。 今だって、私がぶつからないようにしてくれた。 


 …隣にいる八代くんが。


 …笑ったときに見せる八代くんの笑顔が。


 …八代くんのさりげない優しさが。


 私のすべてを翻弄させる。


 『好き』が溢れそうになる。


 こんなにも好きになっていたなんて…自分が一番ビックリしてる。


 でも……つい『好き』を言ってしまったら、この関係でいられなくなりそうで…。


 やっぱり臆病になっちゃうんだ。



~~♪


 あ、メールの受信音。 その音に反応するように、八代くんの手が離れた。


「わりー…」


「ううん! ぜ、全然大丈夫!!」


 き、緊張したぁ……。 


 私は携帯をとりだす。


「ん、持ってるから」


 八代くんがかき氷の入ったカップを持ってくれた。