壮介と香穂が出会ったのは6年前の夏、大学院に進んだ香穂が、同じ研究室の友人、武石由莉に連れられて行った学内のスポーツ大会だった。
「香穂、お願いついてきて!健ちゃんがサッカーの試合に出るから応援に行きたいの!」
由莉にせがまれた香穂は、ピペットを実験台におき、深いため息をついた。
「私、来月の国際学会用にウェスタンブロットを今日中に終わらせたいから無理!由莉1人で行ってきなよ。」
「お願いお願いおねがーーい!ファンの女達が怖いんだもん。それに香穂連れてったらサッカーの試合に出てる奴らも皆も喜ぶし!
ね?ね?実験手伝うからさ!!」
こうなったらテコでも引かない由莉の性格は知ってる。
香穂は諦めて白衣を脱いだ。
「私行ったからって喜ばないって。
もう、今回だけだからね。3回分、実験手伝ってもらうから!あとついでにルブランのケーキおごってね。」
「ありがと香穂〜〜!
香穂、こんなにキレイなのに、魅力に気づかないなんてもったいないなぁ。」
小さな声で由莉が呟いた言葉は、ノートに途中経過をメモっていた香穂には届かなかった。
「香穂、お願いついてきて!健ちゃんがサッカーの試合に出るから応援に行きたいの!」
由莉にせがまれた香穂は、ピペットを実験台におき、深いため息をついた。
「私、来月の国際学会用にウェスタンブロットを今日中に終わらせたいから無理!由莉1人で行ってきなよ。」
「お願いお願いおねがーーい!ファンの女達が怖いんだもん。それに香穂連れてったらサッカーの試合に出てる奴らも皆も喜ぶし!
ね?ね?実験手伝うからさ!!」
こうなったらテコでも引かない由莉の性格は知ってる。
香穂は諦めて白衣を脱いだ。
「私行ったからって喜ばないって。
もう、今回だけだからね。3回分、実験手伝ってもらうから!あとついでにルブランのケーキおごってね。」
「ありがと香穂〜〜!
香穂、こんなにキレイなのに、魅力に気づかないなんてもったいないなぁ。」
小さな声で由莉が呟いた言葉は、ノートに途中経過をメモっていた香穂には届かなかった。
