その数分後
真っ赤な顔をした翔ちゃんと
翔ちゃんの背中の上で
寝ている悠ちゃんが帰ってきた。

「翔ちゃん!!?」

家につくやいなや翔ちゃんは
玄関に倒れこんだ。
(きっと走って公園まで行ったんだろうな)


家には誰もいなかったから
悠ちゃんを叩き起こして
翔ちゃんの部屋まで運んだ。


「時雨ちゃん…」

少ししんどそうに、でもあたしに
安心感を与えるようにつぶやいた

「翔ちゃん!大丈夫?」

「泣いちゃだめ。よくあることなんだぁ。
あのね、ひとつお願い聞いてくれる?」

「うん。」

「手をね…」

「え?」

「手をぎゅってしててほしいんだ」

「わかったっ!」

あたしはたぶんこのときから
翔ちゃんのことが好きになったんだと思う。


あのあとすぐにおばさんが
帰ってきて、あたし達の
甘い時間(?)は終わったけど・・・笑




その時の悠ちゃんはというと…
運び終わったらまたすぐに
横で寝出した記憶がある。