「しょーちゃーん!!」

あたしは家にいた翔ちゃんに駆け寄った

「時雨ちゃん!?どーしたの?けが…してる」

駆け寄ったあたしを驚いた顔で見つめた

「ゆーちゃんが!ゆーちゃんがねっ!!」

「落ち着いてよ、時雨ちゃん。悠がどうしたの?」

「ヒック…木登りしてたらぼーんって!!」

あたしは言葉が何も思いつかなくて
身振り手振りで伝えようとした。

「落ちちゃったの?」


うまく声が出ずうなずくしかできなかった私の肩を
翔ちゃんが強く揺さぶった。

「どこで遊んでたの!?」

「うさぎさん公園」


「時雨ちゃんは待ってて!!
ちょっと見てくるからっ」


「……うん」

翔ちゃんはあたしが返事をしたのを
確認して家を飛び出した。


翔ちゃんはいつも家に居た。

あたしと悠ちゃんが外に行こうと
誘っても絶対昼には出なかった。

その翔ちゃんが外に飛び出した
ことにびっくりしたし、心配になった。