「さくっ…」

キーンコーンカーンコーン…

学校のチャイムが

神田君の言葉を遮った。

神田君は少し恥ずかしそうになって

そそくさ友達の元に行ってしまった。

私は1人で お弁当をひろげた。

無言で食べ終わり

新しい紙を取り出した

何を書こうか…

やっぱり 窓の外の世界なのかな

学校とは違う世界。

夏休み前で 緑に茂っている

あまり夏は好きではない


私は目を閉じて

ゆっくり 鉛筆を走らせた

記憶を辿る

物凄く鮮明な記憶

あの…


散りかけの桜


私は散りかけの桜が好き

儚さから出る美しさが

何とも言えない。


書き上げた桜は

記憶通りの出来栄えだった