コツンコツン…

ヒールの音が響く

いつからだろう

スニーカーよりも

ヒールの方が落ち着くようになったのは


プルルル…プルルル…

携帯の音がする

「はい。もしもし」

『梨桜?今年も行くの?』

「うん。」

『そっか…でもそろそろ
現実と向き合ってもいいと思うよ。』

「ありがとう」

『じゃあ…またね』

「うん。また」

電話の相手は高校の同級生

唯一の女友達だった人

懐かしい。

毎年電話をくれる。





現実と向き合うって言っても

私にはそんな勇気がない