目を開けると、そこは病室だった。
さっきまでの出来事は夢だったのかな?
そんな事はどっちでもいいよね。
「お、由香里……心配させやがって!
あぁ、そうだ。退院したら俺と2人で住むことになるけど大丈夫か?」
聡さんが入ってきて、一緒に暮らすことを話しかけられた事で、やっぱりあれは夢ではなかった事がわかった。
それと同時に涙がこぼれ落ちた。
「め、迷惑じゃない?……私がいたら…」
バシッとおでこにデコピンされ、痛さで手で抑えると、聡さんは少し怒ったような顔をして「迷惑なわけあるかよ、お前は何も心配しなくていい……ただ生活は少し厳しくなるかもな」と小さく笑った。
「……ごめんなさい」
「謝らなくても大丈夫だって、それと学校は前と同じがいいか?
それとも別にするか?」
「ありがとう………前と同じで大丈夫だよ、あ!そしたら聡さんが会社から少し遠くなっちゃうね……」
聡さんは私の頬を両手で引っ張り、だから何も心配するなつったろう!と言った。
「ひはい!ひっひゃんないでぇー(痛い!引っ張んないでー)」
聡さんはクスッと笑い、変な顔と言った。
私は頬を膨らまし、変な顔じゃないもん!と言ってやった。
