願い星地蔵




「それじゃあ、現実世界に戻すけど準備はいい?」


「ちょっと待って!最後に聞きたいんだけど、どうして今までビデオの内容を見せなかったの?」


もっと早く見せていれば、こんな馬鹿なことをしなくて済んだのに……
どうして今になって見せたんだろう?


「それは時間稼ぎだよ、それに君にもいい夢を見せたかったし!」


時間稼ぎ?
どういう意味なんだろう……まあ、考えても無駄だよね。


「そうなんだ、ありがとう」


「……」


「神様?」


「あぁ、ごめん。ちょっと考え事してた!
それじゃあ目を瞑って、10秒数えたら元の世界に戻ってるから」


私は神様の言うとうりに目を瞑った。


「じゃあ、数えるからね……」


神様は、10とカウントし始めた。


5まで数えると、だんだん意識がなくなり
3で神様の声は聞こえなくなった。
その際に、利用してごめんね……と聞こえたような気がした。