「ただいまー」
家に帰っても誰も返事はなかった。
また買い物帰りかな?
私はリビングに行き、お母さんの帰りを待った。
あれから数時間がたち、お母さんとお父さんはまだ帰って来なかった。
私は心配になり、お母さんに電話をしてみたが出なかった。
お父さんにも電話をしたが出なかった。
ガチャッと玄関から音がし、私は急いで玄関へと向かった。
「……お母さん!」
そこにはお母さんでもお父さんでもなく、哲さんが立っていた。
「……由香里ちゃん、いい加減現実を見ないかね。君のお母さんとお父さんはもう死んだだ」
哲さんは冷たい表情で私を見ると、そんなにお母さんとお父さんに会いたいのなら、死ねばいいのにと言った。
私は拳を握りしめ、家を飛び出していた。
