願い星地蔵




「おっはよー」


「おはようございますぅ」


学校に着くと、茜と翠が私の席まで来てくれた。


「おはよう、茜は朝から元気だね」


「そうか?由香里が寝不足なだけじゃないの?」


私は頬を膨らまし、違うもんと言った。


「ふふっ、私からして見れば、どちらも元気があって羨ましいかぎりです」


「由香里はともかく私は元気がとりえだからな!」


いつもと変わらない日常が私は好き。


「私だって元気だよ!……ただ朝は少し苦手なだけ」


お母さんとお父さんの生きている世界が当たり前なんだ。


「それは元気のうちにはいらないよ」


だから私はこの世界を崩したくない。


「朝はあれだけど、昼間からパワフル元気だし!」


「何だよパワフル元気って」


いつまでも皆が笑って幸せな世界でありたい。


「お父さんが今朝、由香里はいつもパワフル元気だなって言ってくれたんだよ!」


私がそう言った途端、二人は顔を見合わせ、茜が、そ、そうなだなと言った。