「…全く、どういう事だ!」


ダン、と髭を生やした男がテーブルを力強く叩く


「落ち着いて下さい。当たっても何も解決しませんよ。」


「チッ、分かっている…。」


隣に座る中年の女性に、男は舌打ちをつきながら椅子の背にもたれかかった


心なし、貧乏ゆすりは激しくなる


シャンデリアや絵画が置かれている、豪華な一室


座っているのは四人に対し…大きすぎるテーブル


そして、その内の三人こそ…能力者協会を治めている幹部である



「抹消に向かったA班と連絡が途絶え、あの『現象』は完成してしまった…。これは、任務失敗と言わざるをえませんね。」


「ふざけるな…A班は協会で最も強い遊撃部隊だぞ!?そんな奴等が殺られたなど…。」