掴みかけてた手は俺の手から離れ



柚子は触手に捕らわれ物凄い速さで俺の視界から消えていった



「っ…柚子!」


追いかけよう、そう思い一歩踏み出す


が、右側から触手が俺に迫ってきた


「!」


ザシュ、と気持ち悪い音が耳に届く



「…ほんと、世話が焼ける子だな。」


俺と触手の間には、雷を纏った剣を手にした…ニット帽


「!…何で…。」


「俺はお前を迎えに来たの。そう簡単に奪われてたまるかって。」


俺を…迎えに?


「…さっきの子、助けたいのは山々だが…こう触手が暴れ回ってっと飲み込まれんのも時間の問題だな。」


そう1人で結論出して


ニット帽は俺に「行くぞ。」と伝える


「ふざけんな!俺は柚子を助けに行く!」


「状況をよく見ろ。このままここにいたら…お前も呑み込まれる!」