鞄をつかんで玄関に向かおうとした足を何とか止めて 俺は棚に置いてある写真立ての前に立つ 「行ってきます、父さん…母さん。」 写真の中には、笑顔で笑っている俺と父さんと母さん 「じゃあ、行ってきます!」 「行ってらっしゃい。」と渚おじさん達の声を背中で聞いて 俺は靴を履いて玄関を開けた