チッ…余計なところ美憂さんに似やがって… 口論は勝ち目がないということは、幼い経験から悟った そして、雫の言ってることはもっともだから言い訳する意味も無い 「早くしなさい。敦と柚子、もう来てるわよ?」 「へっ?」俺の間抜けな声なんてスルーして 雫は部屋から出ていった 急いで窓に向かい、外を確認する 「悪い!あと五分!!」 そう叫んだ先には、制服に身を包んだ二人が俺を見上げた 磯井敦と中原柚子 二人はニコッと手を振っていた それを確認して、俺はすぐに掛かっている制服に手を伸ばした