外から、柚子の声が聞こえた 「ホラ、迎えに来たみたいだぜ?」 ニヤリとおじさんは面白そうに笑った …何か、負けた気がする 何故か悔しい思いを抱きながら、俺は席を立った そして、いつも通り写真に向かう …父さん、母さん 幸せそうに笑う3人の姿 ーー地上にいない可能性があるーー 昨日聞いた言葉が、頭に浮かんだ 「春?」 「あ、いや…行ってきます。」 首を傾げる美優さんに苦笑いを浮かべながら 俺は逃げるようにリビングから出ていった