呼びかけても、春の声はもう聞こえない 「…交信が切れたのね。」 「あぁ…あいつ、無事だといいけど…。」 「…無事だよ。」私の言葉に、不安気な雫と敦が目を丸くした 「…春は、有言実行タイプだからね。」 そう笑顔で言うと、雫と敦の顔にも少しずつ笑みが戻ってくる 私はグイッと涙を拭った 大丈夫、春はきっと来てくれる 絶望に飲まれたりなんかしない 死ぬのを待ったりなんかしない だって… 「…待ってるから、春。」 希望はまだ、消えてはいないーーー