落ち着いて!!と必死に慰める大地の姿を見て


なぜか俺は笑えてしまった



「おい、何笑ってんだよ!」


「だって…大地焦りすぎだろ?」


「うっさいな!そういう春だって、柚子ちゃんのことになったら頭真っ白のくせによ。」


「は、はぁ?」俺の反応に大地はニヤリと笑う


「俺がいつ頭真っ白になったよ?」


「知ってるんだぜ?お前が中学生の時、柚子ちゃんが隣のクラスの男子に呼び出された時お前敦君に八つ当たり「あぁぁぁぁ!!!もう言うな!!!!」



ミスった


こいつ…能力が目覚めてからじゃなくてもっと前から俺の内にいたのかよ!?


じゃあこいつ俺のこと何でも知ってるって事じゃねぇか!


て事は…俺が忘れたいと願っているような黒歴史をこいつも知って…



「ちょっと外野煩いわ。静かにしなさい。」


「「すみませんでした。」」


美憂の冷たい声と容赦ない睨みが来て、俺と大地は即座に謝る


いつの時代も、美憂さんを怒らせるのが一番怖い



「ふっ…。」そんな俺達を見て、亜末は少しずつ笑っていく


「何か…二人って似てるね。」


亜末のその言葉に、俺達はお互い見合わせて


照れくさそうに笑った



「どうやらエントランスは誰もいねぇみてぇだな…。よし、扉開けるぞ。」