「報告だ、來。」


デスクで資料を読んでいた來の下に、stayは現れた


「協会本部に入り込んだ反学園勢力はほぼ制圧。外の方も松嶋夾が鎮圧した。反学園勢力は事実上壊滅したと言って間違いないだろう。」


stayの報告に、來は「…そう。」と小さく呟いて飲んでいたティーカップをデスクに置いた



「協会のお偉いさん方は安心しきってるが、俺的には反学園勢力のリーダーが姿を見せてないってのが引っ掛かる。本気で協会を潰したいなら…戦陣は切らないとはいえ、リーダーがここまで何もしてこないってのはおかしい。

何か別の目的があって、こっちはカモフラージュじゃねぇかってな…。」



報告にはリーダーおろか、幹部の一人も名は上がっていない


これだけの大勝負…下っ端だけで挑むなんて考えられない


「…待っているんだろうね。」


「えっ?」stayは首を傾げた


待っている…?


「『彼』はわかってるんだよ、これが最後の戦いだということが。そして最後の戦いだからこそ、自分が何を懸けるべきか…ちゃんと理解している。

役者も、舞台も、全部ね。」


stayもようやく理解した


自分の懸けるべきものを見つけ、そこまで準備している


それだけで、反学園勢力のリーダーは只者じゃないことがわかった


「…あいつは、その覚悟に立ち向かえんのかな。」



「出来るよ。彼の本当の力を信じればね。」