あの時の杉浦大地達は、必死だったのだろう
世界を守るために…大切な日常を取り戻す為に
ただ、自分に出来ることを精一杯探しながら…
「それに、謝らなきゃいけねぇのはこっちだ。
俺達は結局、レミエルを倒せなかった。爺ちゃんとの約束、護れなかったんだ。
…ごめん。」
爺さんは顔を上げた
申し訳なさそうな表情を浮かべる杉浦大地に、爺さんも同じような表情を浮かべて
「…無事に帰ってきてくれて、ありがとう…大地。」
爺さんの細い目から、一筋の涙が流れた
「…お前らも、今までありがとな。」
そして杉浦大地の視線は
俺達に向けられた
「確か、美優と渚…だろ?」
「私達の事、知ってるの?」
美優の問いに、杉浦大地は「あぁ。」と頷いた
「…『コイツ』の中で、ずっとお前らと時間を過ごしてきた。」
杉浦大地と視線が交わる
こうして、杉浦大地と向かい合うのは初めてだな
「お前、二宮春だろ?」
「…あ、あぁ。」俺が頷くと、杉浦大地は嬉しそうに俺の姿をマジマジと観察した
「大きくなったもんだな。」
「は?」


