「はい、春。」

亜未の手には、湯気が立ったマグカップ


「ありがとう。」とお礼を言い、俺はマグカップを受け取った


中に入っているコーヒーを飲むと、少しずつ身体が暖まっていく


「身体の調子はどう?」

「もう平気だよ。」

俺の答えに、美優は「そう。」と優しく笑った


杉浦大地が再び意識を失ってから


とりあえず俺達は爺さんの家に戻ることになった


けど、杉浦大地を目覚めさした反動なのか
俺は全く身体に力が入らず


渚に手を借りながら…何とかここに戻ってきた


「また眠っちまったけど…本当に目覚めるんだよな?」


「氷の中で封印されていた時とは違う。今の大地は長き眠りからいきなり覚め体力が戻っていないだけじゃ。
少し休めば目覚めよう。」