我に帰ると、扉の前にstayの姿があった
「stay…!」
いつ入って来たんだろう?
てか、ノック位しろよ
「随分深刻な顔してんな。んな顔してっと、幸せが遠のくぜ?」
stayの冗談に、俺から表情が消えた
そんな俺の心を察してか、stayの顔も真剣になる
「…俺、今してることが正しいのか分からなくなったんだ…。」
ギシッとstayは隣のベッドに腰掛ける
「俺はずっと、能力者は魔物から俺達を護ってくれるってどこかで信じてた。周りがどれだけ忌み嫌っても、誰かを護りたい気持ちは同じだって…そう思ってたんだ。
なのに、その能力者のせいで傷付いてる奴等がいて…。俺、能力者の事を信じられなくなった。」
倉崎の人生を狂わせたのは
間違いなく…能力者
「けど、今では俺もその能力者の一員で…。もしかしたら、俺が今してる事も誰かを傷つけているとしたら…。」
初めて、怖いと思った
俺のせいで、誰かを傷つけてしまっていると思えば思うほど
「…んなの、当たり前だろ。」


