その声が響いたのと、俺が着地したのはほぼ同時だった
「勝負あり、今のは春の勝ちだな。」
ニッと笑いながら審判である愁はこっちに来た
「クッソ…目くらましなんてずりぃぞ!」
「負け惜しみ言うな直。それも立派な春の作戦だ。
それよりも、どうやって直の技を避けたんだ?」
直のタイミングは完璧だった
あのタイミングでは、絶対に避けれない筈なのに…
「あ…えと、光の屈折を利用して、幻惑を見せたんだ。
あれは本物の俺じゃない。」
俺の説明に、愁はなぜか目を丸くした
「…そんなことを、戦闘中にあみだしたのか?」
「いや、前からちょっと考えてたんだけど…。」
まぁ、成功するなんて夢にも思ってなかったが
苦笑いをする俺に、愁は嬉しそうに笑った
「凄い才能だな。まるで戦闘の天才と謳われてる夾みたいだ。」
「んなまさか。愁達の教えがいいからだよ。」


