暗く、荊に囲まれた古城の一室




謁見の間であろう、その奥にある王座から…黒い光が漂っていた



その光の中から、ユラリと立ち上がる…一人の少年




「…随分、手こずりましたね。」



自身に巻かれていた、ボロボロに焼かれた荊を払いながら


少年は溜め息を吐く




「さすがは魔族間に伝わる封印の術…。私も今回ばかりはダメだと思いましたね…。」