「こっ…これは…ダメ。」
「なんで?忘れるんでしょう?」
「だけど…これは…。」


私は、髪飾りをぎゅっと握り、うつむいた。


「ほら、やっぱり。簡単に忘れられることじゃないでしょ。」
「…っ」
「しょうのこと、まだ好きなんでしょ?好きなら、好きでいいじゃん。片思い上等!」


すみれは、そう明るく言って、私の手からやぶった写真を取って、屋上を出て行った。