月と太陽

亜利沙はフフッと、思い切り笑って見せると「自信持って」と囁き、わたしの頬を伝う涙を拭ってくれた。

「何やってんだ?」

背中から声がした。

振り返ると、そこには寝癖が酷い、スウェット姿のタケルが立っていた。

タケルはわたしの顔を見るなり、寝起きで細めていた目を見開き、こっちに近寄って来た。

「なんで泣いてるんだよ、大丈夫か?」

心配そうにわたしの顔を覗き込む。

わたしは指で涙を拭いながら「何でもない」と答えた。

「あたしが泣かしちゃった」

ベッと白い歯の間から舌を覗かせた亜利沙は、小さくスキップしながらリビングへと向かって行った。