月と太陽

「タケルが、わたしを選んだって?どうゆうこと?」

首を傾げるわたしの腕を亜利沙は掴んでこう言った。

「それはね、昔、父さんが母さんにプレゼントした物なんだけどね、そのムーンストーンっていう石には、絆を深める力があるのよ。渡した人と、渡された人の絆を深めてくれるの」

昨日、タケルから「絆」の説明は聞いていない。

ただ、心を癒してくれるとしか。

わたしはポカンと口を開けていたことに気付き、口を閉じると、続ける亜利沙の話に耳を傾けた。

「父さんは母さんに自分の気持ちに気付いて欲しくて、それをプレゼントしたんですって。恋愛成就にも効き目があるみたいだからね」

見るからに「好き」とか「愛してる」とかを口にしそうもないお父さんが、お母さんに気持ちを伝えるために一生懸命考えたんだろうな。

そう思うと、心が温かくなった。