月と太陽

「しずく!」

玄関からドタドタと騒がしい音と共に、わたしを呼ぶ声がした。

その声の主は、タケルだとすぐにわかった。

リビングへ入って来た険しい表情のタケルは、わたしの姿を見つけるなり、駆け寄って来た。

その後ろには、匡人と涼、それから梨子の姿まであった。

「しずく!大丈夫か!?」

そう言った直後、わたしが書く書類に視線を落とすタケル。

一瞬で状況を把握したようで、「マジか!」と言って、ついさっきまでの険しい顔を緩ませた。

「よろしくね」

わたしがそう言うと、タケルはなぜか恥ずかしそうに笑った。