月と太陽

この日下家には、長期の心の治療が必要な人が過ごすための部屋を用意しているらしい。

つまり、わかりやすく言うと入院設備だ。

わたしはそれほど、酷い状態らしい。

しかし、わたしは悩んだ。

こんなわたしがお世話になって、迷惑ではないだろうか。

形上、入院になるわけだから、お金だって必要だろうし、ママの承諾だって必要になるはずだ。

ママとは、連絡を取りたくない。

そうこう考えていると、わたしの不安に感じていることを悟ったように亜利沙はわたしの肩を抱いた。

「大丈夫よ。何も心配いらないから。こっちに任せてくれたら、手続きは全てやるわ。お金のことも、しずくのお母さんへの説明も」

そう言って、亜利沙は微笑む。

間近に亜利沙を見て思ったが、亜利沙の瞳はやけに茶色かった。

まるでハーフのようだ。

日本人離れをした綺麗な顔立ちをしているし、あり得ないこともないかもしれない。