月と太陽

タケルのお父さんもお母さんも優しくていい人だった。

この2人に育てられたんだと思うと、タケルの人柄も納得ができる。

当然ながら、料理はどれも美味しくて、とてつも無く久しぶりに心からご飯が美味しいと感じられた。

シメにケーキを食べ、お腹だけではなく心も満たされた気がした。

みんなが笑顔で食卓を囲んでいる。

それだけで幸せな気持ちになった。

時計の針が7時を差し、そろそろ帰宅をしなければいけない時間になった。

みんなが玄関までわたしを見送りに来てくれた。

「しずく、今日はありがとね」

涼と寄り添いながら亜利沙が言った。

「ううん、呼んでくれてありがとう」

「また来てね」とお母さんが微笑む。

わたしは「はい」と返事をした。

「家まで送って行くよ」

そう言って、タケルが靴を履いた。

「いいよ、すぐそこだから」

「すぐそこでも送るよ。夜道を女1人で歩かせるわけにはいかないからな」

「まだ7時なんだから、夜道ってほどでも」

と言い終わる前に、タケルはわたしの腕を引いて玄関のドアを開けた。