月と太陽

「あなた、しずくちゃんが来てくれたわよ」

お母さんがそう話し掛けた先には、L字ソファーのすぐ側に置かれた1人がけのソファーに座る男の人がいた。

カチッと決めた髪型に白いシャツで紳士的な印象のこの人は、きっとお父さんだ。

「いらっしゃい、よく来てくれたね」

お父さんもまた、柔らかい口調の人だ。

「遠慮しないで座って。すぐパーティーを始めましょ」

そう言うお母さんは、ダイニングテーブルの椅子にかけてあったエプロンを手に取り、キッチンへと向かって行った。

広いオープンキッチンも、まるでモデルルームではないかと錯覚するほどキレイだ。