北海道の中で1番の都会へやって来た。

ここの気候は予想してたよりも爽やかで、わたしには合っているかもしれない。

越して来た場所は、それほど都会的ではないが、まぁまぁ店屋は多く、近くにコンビニやスーパーがあり便利そうだ。

古い3階建てのアパートをリフォームしたと思われる、その2階の奥がわたしたちの新しい家になる。

それほど広くないリビングに狭いキッチン、脱衣所がなく、キッチンにそのまま続いてるお風呂場。

部屋は2つ。
洋室と和室だ。

和室の方がわたしの部屋になる。

カーペットを全面に敷いて、出来るだけ畳を隠した。

段ボールを開け、片付けていると玄関から聞き慣れない声が聞こえてきた。

男の人の声だ。

「しずく、ちょっと来てー!」

ママがわたしを呼んだ。

嫌な予感はしながらも、わたしはママの声がした玄関へと向かった。