階段を上り、4階までやって来た。

1年生のクラスがある階で、1年生が廊下を走り回っている。

教室が並ぶ廊下を通り過ぎ奥へ進むと、窓がなく光が差し込まない薄暗い場所へと足を進めた。

少し不安になるが、わたしの腕を掴むタケルの手の温かさで何とか紛らわせることができた。

誰も来ないような、どこなのかもわからない場所。

突き当たりに古びたドアがあった。

キレイな校舎に似合わない程の錆びようだ。

ドアの前にはチェーンがかかっており、チェーンからぶら下がっている札には「立ち入り禁止」と書かれていた。

タケルがドアノブに手をかける。

わたしはタケルを見上げると「立ち入り禁止だよ?」と言った。

タケルはお構いなしにドアノブを回した。

開いたドアの隙間から光が差し込んだ。