月と太陽

その手に連れられ、わたしは4階のラウンジへやって来た。

屋上へ行けない代わりに、冬の期間限定で使用しているわたしたちの場所だ。

ベンチに腰を掛けると、わたしたちは顔を見合わせて笑った。

そして、彼から焼きそばパンを受け取る。

「タケルったら、芝居じみたことしちゃって」

「しずくだって、あの時と同じ対応したじゃないか」

そう言って、わたしたちは再び笑った。

焼きそばパンを鼻に近付けると、ラップ越しに焼きそばのいい香りがする。

麗佳が「日下くんから焼きそばパン貰うなんて貴重よ〜」とか言って騒いでたっけ。

最初はママの「恋人に会いたい」という目的で来たこの場所だけれど、今はこの場所に感謝している。

タケルに出会わせてくれて、ありがとう。

本当に心からそう思っている。