月と太陽

「実はね、今日はカウンセリングではないんだ」

前屈みになるお父さんは、落ち着いた口調で言う。

わたしは「えっ」と出掛けた言葉を飲み込み、お父さんの言葉に耳を傾けた。

「しずくちゃんは、僕の目から見てもだいぶ元気を取り戻している。僕だけじゃない、みんなそう思っているよ」

「皆さんのおかげです。本当に感謝しています」

「いや、しずくちゃんが頑張ったからだよ。自分に自身を持ちなさい」

お父さんはそう言って、にっこりと微笑んだ。

褒められると、なんだかくすぐったい。

やはり褒められることに慣れなどないと感じた。