月と太陽

「正直…、行って欲しくない」

行って欲しくない…

口に出して言葉にしてみると、涙が溢れてきた。

「うん、そうだよね。わたしがしずくと同じ立場だったら、同じこと言うと思う」

「でもね…、行かないでって、言えないの。タケルの夢を、大切にしたい気持ちもあるから…」

震える声を必死に抑え、わたしは言った。

「しずくは偉いね。タケルのことをちゃんと考えてあげれてる」

「偉くなんかないよ…、だって、行って欲しくないって思ってるんだよ?」

「そう思うのは自然なことだよ。だって、タケルのことが好きなんだもん。自分の気持ちだけじゃなくて、タケルのことも考えてあげれてるんだから、それは思いやりだよ」

梨子の言葉にわたしは更に涙を流した。